疥癬を疑って受診する場合に医師に伝えるべきこと

 高齢者施設の職員である読者のみなさんが、疥癬について医師に相談する状況を考えると、多くの場合は入所者の方に皮疹が出て、疥癬を疑った場合だと思う。前回は疥癬について医師に相談する際に、「知っておくと役に立つかも?」という医者サイドの事情をお話しした。
 疥癬に限らず、すべての病気に当てはまることだが、医師が診察室で短時間に得られる情報は限られている。とくに高齢者施設から受診する患者さんは、自ら症状を訴えられないことも多い。だから職員のみなさんは、医師にとって重要な判断材料になる患者さんの情報を得るための情報源になりうることを知って欲しい。今回から医師が疥癬の診断をする助けになる情報はどんなものかを解説する。
伝えてほしい情報:その1「いつから発疹が出たのか?」
 現在の発疹の状態は診察すればわかる。しかし、その発疹がいつ頃から出現したのか?は患者さん(またはその代理の人)に訊かないとわからない。疥癬の場合、パッと見で即診断がつかないことも多いので、「発疹がいつから、どのように(急に全身に広がったのか、徐々に広がったのか?)出現したのか?」を伝えると、医師の診断の助けになる。
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