受診に当たって医師に伝えたいこと
他の皮膚疾患はあるのか?
「従前から持病として皮膚疾患があったかどうか」も重要である。たとえばアトピー体質の人が疥癬にかかると、アトピーが悪化して重症の疥癬に見えたり、ダニの死滅後も皮疹が長めに残ったりすることがある。そのような場合、もともとアトピーがあったことを伝えると、重症度判定や治癒の判定が変わることも考えられる。
まとめ
皮膚所見のみで疥癬を診断するのは難しいものだ。だから施設職員のみなさんもわれわれ医師も、使える情報と人手はとことん使うべきである。診察室では医師に遠慮して「なにか質問でもされない限り黙っている」という旧態依然とした態度では、入所者もあなた自身も守れない。下記に受診に際してチェックしておきたいポイントをまとめるので、参考にしてほしい。
受診に際してチェックしておきたいポイント
- 発疹が出現した状況
- いつできたのか?
- どのように広がったのか?(急に全身に広がったのか、徐々に広がったのか?)
- 他に似たような皮疹を呈している患者はいるか?
- 治療はしたか?(本当は診察前には治療すべきではないが)
- どんな薬剤で?
- どんなやりかたで?
- 外用剤なら全身に塗ったのか?それとも発疹の部分だけに塗ったのか?の違いは重要
- どのくらいの期間治療したのか?
- 薬剤を塗ってどうだったか(不変、改善、悪化のどれか)
- 以前からかかっていた皮膚疾患はあるか?