疥癬を疑って受診する際に医師に伝えたいこと

周りの人はどうか?
疥癬感染症だから、「周囲の人(入所者だけでなく職員も)に同様の発疹が出ているかどうか?」が診断に際して重要である。たとえば「1ヶ月ほど前から施設内の他の入所者にも皮疹が出てきた」という話は、疥癬の診断に際して、重要な疫学情報となる。受診の前に周囲の入所者の皮膚状況をざっとでよいので把握しておきたい(やりかたはhttp://d.hatena.ne.jp/makikuni/20060420/p1の稿を参照)。

デジタルカメラで受診?
 相談に乗ってくれる皮膚科医師はいるが、患者さんが重症で外来受診できない場合などは皮疹をデジタルカメラで撮影して見てもらうのも手である。疥癬トンネルを撮影するのは結構難しいし、写真で診断するのは難しいが、ノルウェー疥癬を疑うべきかどうかくらいはアドバイスをもらえると思う。

治療は始めてしまったのか?
 受診の前に治療を行った場合はその内容を医師に伝えよう。「治療は診断が確定してから行うべきである」と、本連載ではしつこくしつこく繰り返してきたが、もし治療を始めてしまったならば「薬の種類と使用法と期間」を医師に伝えよう。たとえば「オイラックスを全身に4日間」とか、「リンデロンVG軟膏を発疹の部位に2日間」など、できる限り具体的に伝えることが望ましい。薬剤使用は皮膚の状態に影響を与える可能性があり、診察時の皮膚状況を判断するのに欠かせない。