保育園の疥癬の特徴

 とりくんでみて高齢者施設や病院における疥癬と、保育園における疥癬ではいろいろな違いがあることがわかりました。まず、施設や病院だと、感染症対策を立てるのはその施設の担当医で、方針は統一しやすいです。保育園では、保護者の方がかかりつけの皮膚科医に連れて行くので、疥癬患者さんを治療するドクターが複数になり、治療方針が少しづつ異なることになります。保護者の方や職員の方は疥癬はダニによる疾患ということで、「掃除洗濯どうしたらいいの?」と悩まれるようです。施設における疥癬対策の資料は、マルホさんのサイトwww.scabies.jpをはじめネット上に増えてきましたが、一般家庭の場合は情報がないか、錯綜してずいぶん悩まれるようですね。皮膚科の先生方も、診察室でいきなり「掃除洗濯」の相談をうけても戸惑われることが多いと思います。普通の疥癬なら、掃除も洗濯も今まで通りで大丈夫です。そして子供たちの行動は、お遊戯、お散歩、お昼寝…、高齢者と全然違います。今まで私が介入した3事例の集団感染は、その拡大パターンは少しづつ違っていました。保育園の対応マニュアルは、まだまだ発展途上です。