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第33回日本環境感染学会で一般演題とシンポジウムで疥癬について話します
最近、他人の演題の手伝いをすることが多かったのですが、一般演題(ポスター)を出します。
演題名:「疥癬アウトブレイク時の皮膚所見と予後−「怪しい所見を呈する患者」は疥癬を発症するリスクが高いのか?」です。発表は2018年2月23日(金)です。
あともう一題、シンポジウムでご指名いただき、15分くらい疥癬の感染予防の話をします。
シンポジウム15「診療科の特殊性を考慮した感染対策」
タイトルは「病態に基づく疥癬対策再考−やらなくてよいこと・やるべきこと」です。医療関係者(感染管理責任者)を想定した内容を準備しています。
日時: 2018年2月24日(土)(13:10〜14:40)
会場: 第11会場(グランドプリンスホテル新高輪・国際館国際館パミール 3階「香雲」)
「疥癬はこわくない」の部分改訂を公開しました
スミスリンローション(R)発売に対応して『疥癬はこわくない』の部分的に改訂し、webで後悔しました。発行元の医学書院の紹介ページ、「書評」欄のからPDFにリンク出来るようになっています。
http://www.igaku-shoin.co.jp/bookDetail.do?book=5434
学習用顕微鏡は疥癬の診断に役立つか?
施設等に往診に行くときに、生物顕微鏡は箱込みで10kg以上と重すぎて、車必須なので、お手軽な子供向け顕微鏡(学習用顕微鏡というらしい)を試しに買ってみました。こういったたぐいのものにはよく付属しているピンセットとかの「解剖セット」とか、試しに眺める用の葉脈なんかのプレパラートセットとかは、一応プロだから不要なので。Amazonでレビューの良かったビクセンSB-500です。http://www.vixen.co.jp/product/micro/standard/210404.htm ビクセンは高校時代の部活動が地学部天文班で、当時から親しんでいたメーカーです(バイトして買った天体望遠鏡はタカハシ光学ですが)。ステージに医療用のプレパラートがちゃんと載るかどうか、ヨドバシカメラで実機をチェックして購入しました。
学習用顕微鏡 使ってみた結論
疥癬の診断にメカニカルステージは必須で、学習用顕微鏡では難しいです。また治癒判定には使えません。通常疥癬の患者さんに寄生しているヒゼンダニは数が少ないので、低倍率でカバーグラス状をくまなく走査しなくてはならず、メカニカルステージは必須です。今回機会がありトライしましたが、メカニカルステージのない学習用顕微鏡でヒゼンダニを探すのは至難の業で、見つかりませんでした。プロ用生物顕微鏡で見直したら、プレパラート一枚に、幼虫が一匹だけ、卵の殻が4個だけありました。
ただ「この患者さん、通常型疥癬?角化型疥癬?」と悩んだときには使えるかもしれません。学習用顕微鏡でヒゼンダニが容易に、多数見つかるなら、角化型の可能性があります。逆に、なかなか見つからないなら疥癬だとしても角化型ではないかも(どこから検体を採取するか?も、結構慣れを要するのではありますが・・・)
お勧めはダーモスコープです
患者さんの皮膚を採取せずに疥癬トンネルがよく見えます。慣れればメスのダニも見えます。皮膚を採取しなくて良いことはポイント高いです。なにより痛くないし、侵襲がないので、診断行為(あなたは疥癬ですと断言すること)をしないなら、医師免許が要りません。診断と治療は医者にやらせてください(^^)。欠点は高いこと。疥癬だけ診るならここhttp://www.jhewitt.co.jp/product.php の一番安いDL100とかですが、5万円くらいします。