望まれる疥癬外用剤の承認

 ストロメクトールはいい薬ですが、皮膚病である疥癬には本来局所(病気の起こっている現場)に直接作用する局所治療薬(塗り薬)が使えるようになってほしいものです。日本の外ではγ-BHCと同じかそれ以上によく効いて、安全性の高い外用薬(ペリメトリン)が発売され、第一選択薬になっているので、実にもどかしく感じます。
 ペリメトリンが発売され、すでに役割を終えた感があるγ-BHCですが、使い方さえ守ればいい薬です。γ-BHCの毒性はペリメトリンに比べると高いですが、標準的使用法を守れば、安全に使える薬だと考えています。中毒の発生した例は、頻回に塗りすぎ(1回塗布して1週置いてもう一回が標準なのに毎日10日漣用してしまうなど)か、濃度が高すぎ(1%が標準なのに2%を使うなど)、びらん面(皮膚のバリア機能に問題があって皮膚から体内への吸収が高まってしまう)など塗ってはいけない部位に塗ってしまうなど、標準的な方法を外れて使った場合がほとんどだと思います。
 それにつけても国内で外用薬が発売されていれば、ここに書いたドクターのような取り越し苦労は起こらないので、はやくペリメトリン等のピレスロイド疥癬外用薬が保険適法になってほしいものです。