ツツガムシ

 ひょんなことからmakikuniはツツガムシについて調べることになりました。
 ツツガムシ病って聞いたことありますか?現在はそんなに頻繁にお目にかかる病気ではありません。どのくらいの頻度かというと、人口200万人強の福島県で年に38人患者さんが出たら発生率が全国一位になっちゃうくらいといえばイメージできますでしょうか。
 唱歌の「ふるさと」(うさぎおいしかのやま〜、で始まるあれです)の2番は「いかに います ちち はは、つつがなしや ともがき」という歌詞ですが、この「つつがなきや」は「ツツガムシ病に罹患してはいまいか?」=「元気にしているだろうか」という意味です。
 ちょっと脱線しましたが、ツツガムシ病はかつて唱歌に謳われるくらいcommonな病気だったってことです。ツツガムシ病はその名の通り、ツツガムシというダニが媒介するリケッチア*1感染症です。河原などに潜んでいるツツガムシにされれることでリケッチアが体内に入り、2週間ぐらい後にリンパ腺が腫れ、発疹が出現し、高い熱が出ます。時として命に関わるほど重症化します。ツツガムシに刺された場所に特徴的な皮膚潰瘍(黒いカサブタが付いて腫れる)が診断の決め手になります。makikuniが医学部の学生だった十ウン年前には「ツツガムシ病は新潟県山形県秋田県などの日本海北日本の風土病」というのがいわゆる医師国家試験向け知識でした。
 ところが日本海北日本の風土病というのは過去の話になり、現在の日本ではツツガムシ病の患者さんは沖縄・北海道以外の日本全国に分布してます。これは昔おそれられていたツツガムシ病と、現在のツツガムシ病では媒介するツツガムシの種類が変わったためなんです。
 ツツガムシについては今後ときどき書いていこうと思います。予防法とか、実際に役に立ちそうな知識は後ほどってことですみません。

*1:細菌よりやや小さめの病原体でペニシリン系やセフェム系など、医師がまず最初に処方する抗生物質は無効